府中 競馬の名場面
過去の競馬では数多くのドラマが展開されてきましたが、特に直線の長い東京競馬場では、幾多の名勝負が繰り広げられてきました。
名場面として今も語り継がれているレースに、1989年の毎日王冠があります。この年の毎日王冠では、前年の有馬記念を制した後、春を休養にあて秋初戦のオールカマーを快勝したオグリキャップ、地方競馬のチャンピオンとして中央へ移籍、武豊を背に春の天皇賞と宝塚記念を連勝したイナリワン、前年の日本ダービーをサクラチヨノオーの2着と健闘した素質馬メジロアルダンの3頭による3強対決として盛り上がりを見せていました。4コーナーまではゆっくりと流れ、直線を向いてすぐに岡部幸雄騎乗のメジロアルダンが手応えよく馬なりのまま抜け出す構えを見せますが、イナリワンとオグリキャップを警戒し、ぎりぎりまで仕掛けず脚をためる作戦に出たことが結果的には災いしました。
外から追い込んできたイナリワンとオグリキャップ、そしてメジロアルダンを合わせた3強の叩き合いになるかに見えましたが、3頭が並んだのは一瞬で、イナリワンとオグリキャップの2頭はメジロアルダンをあっさりとねじ伏せます。
2頭の叩き合いになり一旦はイナリワンが優勢になったものの、激しい叩き合いの末、オグリキャップがわずかハナ差だけ先着したところがゴールでした。