競馬実況の名言と名場面
競馬の実況では時に名言が生まれ、競馬ファンの間で語り継がれることも少なくありません。日本で最も人気を博した実況者は、元関西テレビの杉本清アナウンサーです。1960年代にテレビでの実況を始めた杉本清アナウンサーは、多くの名場面を実況で支えるとともに、自らの実況が名場面となることもありました。
テンポイントのファンとして有名だった杉本清アナウンサーは、テンポイントが初めてG1級のレースを制した春の天皇賞でも実況を務めています。テンポイントの4歳時は、ライバルのトウショウボーイやグリーングラスの前に皐月賞2着、日本ダービー7着、菊花賞2着と、クラシックレースを勝つことができませんでした。しかし、古馬になって本格化したテンポイントは、京都記念と鳴尾記念を連勝、1番人気で春の天皇賞を迎えます。
直線を向き脚色が鈍るグリーングラスを尻目に、早めに抜けだしたテンポイントが1着でゴールすることが確実と思われた時、「これが夢にまで見た栄光のゴールだ」という名言が生まれました。
その後もミスターシービーやシンボリルドルフといった3冠馬が、3冠を達成する菊花賞の舞台を実況、このほか宝塚記念で生まれたフレーズが有名になるなど、その名言は今も多くの競馬ファンから支持されています。