数々のレースが開催される競馬ですが、人々の注目を大きく集めるG1レースには当代の名馬が揃い、競馬ならではの魅力がたっぷりと詰まった名場面を演じてくれます。これらを観ることもまた競馬の楽しみと言えるでしょう。
菊花賞の名場面の中でも印象深いのは、2005年に行われた第66回菊花賞でしょう。この時出走したディープインパクトはファンから多大な支持を受ける人気馬で、当時までの順調な仕上がりからも優勝を期待されていました。菊花賞に勝てば三冠のところまで成績を引き上げたディープインパクトを観ようと、レース当日は実に13万人をこえる観客が来場しています。
名ジョッキーとして知名度の高い武豊を乗せて出走したディープインパクトは、落ち着いたスタートを切ります。一旦は馬郡の中に沈んだものの、ゴール直線で抜け出すと一気に加速します。共に加速していたアドマイヤジャパンとの勝負にも勝ち、一着で勝利したディープインパクトは、このレースで三冠達成を果たしました。この時のレースは実況を担当したアナウンサーの名セリフを生み、武豊騎手はレース終了後に三本指を立てる仕草で勝利をアピールするなど、名シーンが詰まった試合となりました。